今回、小倉南区にて浴室ドア(折れ戸)の交換を行ないました!
浴室ドア交換は意外や奥深く、お客様のお悩みやお家がバリアフリー構造かどうか、入居されている方の家族構成はどうか等を考慮し、既設枠によってカバー工法が最適かアタッチメント工法が適切か、中桟なし?あり?など、サッシ(ドア)交換に必要な要素がたくさん詰まっています。
なので、施工事例とともに、何故、浴室ドア交換方法をアタッチメント工法を選んだのかについて、ご紹介できたらと思います。
お客様のお悩み

お客様より、「もう30年以上使用した浴室折れ戸なんだけど、扉がカビてしまって汚れが落ちないから、いっそのこと交換したいのだけどできますか?」と、カビに悩まれているようでした。「勿論、できますよ。では替える浴室折れ戸はカビにくいガスケットレスタイプにしましょうか」
とお伝えすると、「なんですかその、ガスケットって?」と気になるごようす。「専門用語でわかりにくいですよね、すみません。ガスケットはゴムパッキンのことで、中桟がある場合はガスケット、中桟ない場合はガスケットレスといいます。」とお伝え。ピンときてないごようすでしたので、カタログ写真をお見せしてご説明したところ、「あ〜、つまり、中桟があるかないかってことね。はいはい。」と理解して頂けたようでした。

ガスケットあり浴室ドア

ガスケットレス浴室ドア
中桟がある浴室ドア(ガスケットあり)は、パッキンでアクリル板を扉に固定していますが、中桟がない浴室ドア(ガスケットレス)はアクリル板を扉に接着しています。
中桟付きの浴室ドアはどうしても中桟まわりにカビやほこりが付いてしまいます。新しく替えた浴室ドアをこまめに清掃するのも大変なので、交換する浴室ドアはYKKドアリモの汚れがつきにくい構造の中桟がついてないガスケットレスタイプの浴室ドアをご提案させて頂きました。
《カバー工法とアタッチ工法の違いについて》
私「ところでお客様、お客様のお家は脱衣場から浴室まで段差のないバリアフリーなんですね。浴室ドアの交換方法も段差のでくるカバー工法と、段差のできないアタッチメント工法がありますが、いかがされますか?こちらが、カバー工法とアタッチメント工法の違いです。」と資料をお見せしました。

↑LIXILリシェントのカバー工法、アングル段差あり、LIXILはアングル高さ27mm、YKKは15mmのため既設枠段差高さによって使い分ける必要あり。

↑バリアフリー構造のため段差のできないYKKアタッチメント工法で取り付け
お客様「段差があるのは困るね。高齢の母を家でみてるからね。背に腹は変えられないから、そのアタッチメント工法ってやつでいいかな」
私「かしこまりました。では、アタッチメント工法でお見積もり致しますね。少々お待ちください。」とその場でお見積もり書を書いてお渡しして、ご依頼に至りました。

↑カバー工法では、必ずしも段差ができる訳ではありません。既設枠によってメーカーを変えて納まりよくします。LIXILの浴室ドアが適切に納まる場合もあれば、YKKドアリモが適切に納まる場合もあります。どちらもアングル高さの違う商品だからです。
ちなみに、LIXILリシェント浴室ドア(折れ戸)は必ず中桟付きになり、YKKは中桟ありと中桟なし両方選べます。
余談ですが、既設枠が下排水仕様の場合(1990年代後半〜2000年前半に広く使われていた下枠から排水するタイプの浴室ドア)はYKKドアリモの三方枠納まりもしくは、LIXILの下排水カバー材を使ったアタッチメント工法になり、カバー工法ではまず適切に納まりません。それはご説明すると長くなるので、またの機会にご説明致しますね。
浴室ドア交換作業の流れ
1.既設枠レールを切断

今回の浴室ドアの交換方法は、既設枠を残したまま新しく枠を取り付けるアタッチメント工法を行ないます。アタッチメント工法は、カバー工法より後に出てきた2019年9月にLIXILが採用した工法で、ユニットバス/在来工法や浴室ドアのメーカー問わず交換できる工法です。2020年4月にはYKKも採用しています。
「カバー工法」では、既設枠によっては躓くほどの段差ができてしまったり、開口が数センチ狭くなるので、段差もできず開口の変わらない浴室ドアにリフォームできるように後発で普及されたのが「アタッチメント工法」です。
枠を取り付けやすいように、既設枠のレールを切断したり、戸当たりの気密材などを撤去するのは、カバー工法もアタッチメント工法も同じです。
2.新設枠を既設枠に設置

従来のカバー工法は、組んだ四方枠を既設枠にがばっと嵌め込みますが、今回は、カバー工法ではなくアタッチメント工法なので、既設枠の中で四方枠を組み立てます。
取り付けビス穴には、枠取り付けネジから漏水しないように穴あけ後シーリング材を注入しています。メーカー指定の施工方法です。

↑新しく付けた下枠です。
写真だと、指でつまんでいるのが下枠のパッキンで、水の侵入を防いでくれます。
3.シーリング施工で防水

既設枠とアタッチメント枠の重なりから水が侵入しないように、枠まわりはコーキングしています。
アタッチメント工法では、カラーは既設枠と合わせた方が無難です。アタッチメント枠がスリムということもあって既設枠が見える範囲も広いからです。逆に既設ドアとカラーを変えることにこだわりがある、という場合は、既設枠のほとんどが新設枠で隠れるカバー工法が良いですよ。その際は、段差ができないかどうかが重要なところですね。
4.浴室ドア本体の設置

枠の取り付け後、浴室ドア本体を吊り込みました。交換した浴室ドアはガスケットレスなので中桟は付いていません。アクリルガラスも、4枚パネルの納まりから2枚のアクリルガラスの納まりになりました。スッキリしましたね。
以上、浴室ドアの施工事例のご紹介とともに、浴室ドアの中桟ありと中桟なしの違いや、何故カバー工法でなくアタッチメント工法で浴室ドアを交換する必要があったのか、その違いについても少し触れつつご説明させて頂きました!浴室ドア交換のご参考になりましたら幸いです。
浴室ドア交換は、お客様のライフスタイルに寄り添う気持ちと、知識、経験が必要な工事で、浴室ドア交換のご依頼を頂くと、初心に帰るきっかけになります。
ありがとうございました!